アニメオタクと古楽
Gatesideのはてなブログ「Gatesideの脳内」をご覧の皆様、こんにちは。
前回は「へたくそ吹奏楽部員と古楽の出会い」で、実技が得意ではなかった自分に
音楽を「聴く」「語る」の視点を 古楽が与えてくれたという内容でした。
今回は2件目の記事で古楽に出会ったあとの自分の話です!
【Ⅰ、アニソンを弾きたい!~難しくても むりやり弾いてみた~】
実は僕、アニメが結構好きです。
小学生まではガンダムシリーズと「クレヨンしんちゃん」くらいしか見ていなかったのですが、
中学生からできた友達に詳しいのが多くて、2012年の冬あたりから、友達の紹介で当時のベタな作品「ハルヒ」「けいおん!」「とあるシリーズ」を見て、それ以来僕はアニメオタクです。
さて、音楽の話に戻りますが、
やはり 楽器をやっている身としてはアニソンをぜひとも「自分で演奏したい!」と思うものでありますです。
それで、最初に買ったアニソンの楽譜がこちらです。
『ワンランク上のピアノソロ 神曲 アニソン・スペシャル』 デプロMP (2012年)
この当時はfripsideさんの「only my railgun」、「LEVEL5 -judgelight-」
この2曲にすこぶるはまっていて、とにかく弾きたかった。
しかし、耳コピがあまり得意ではなかったので、楽譜を買って弾いていました。
が、
今までピアノをまじめに弾いていなかったため、難しくて楽譜通りに演奏ができない!
という。
「なんで楽譜かったの?w」と言われてしまいそう。
それでも弾きたかったので、
「今ある技術で なにがなんでも曲を再現しよう」と思って自分で簡単バージョンを作って演奏していました。
難しいと思った点を挙げます。
- 調号が難しい
「only my railgun」(G# minor) (#が5つ)は、トランスポース-1 (バロックピッチ)で対 応。 A minor (調号なし)として弾けば実音で楽ちんに演奏できます。
最後の半音上がる転調は、なかったことに。
(転調せずとも 元々とてもかっこいい曲なので、それでよかったのです)
- 和音の記譜が難しい(音が多い)
現代の 速い曲のピアノアレンジにも言えることですが、楽譜をそのまま弾こうと すると
大きく手を広げて、ジャジャジャジャ!!、ジャアーーン! ジャアーーン! て感じで
僕からすると 音が多いな、手が痛くなりそう と感じます。
これは、単旋律にして対応。
- 左手はパーカッション
これも現代の 速い曲ピアノアレンジに当てはまりますが、左手をパーカッションとして使うアレンジがなされます。(ジャズピアノの影響だろうか?)(もっと勉強します)
これも苦手でした。
これは オクターブを8分音符でタカタカ刻む方法でとりあえず弾いていました。
これををしばらく続けたのですが、かっこ悪いと自分でも思っていたので、
もっとかっこよく弾けないかと 別の曲で楽譜を書いてみることにしました。
【Ⅱ、もっとかっこよく、むりやり編曲してみた】
『スタードライバー 輝きのタクト』というアニメをご存じでしょうか?2010年の秋アニメです。
これも友達の紹介で見た作品でした。
概要が詳しくWikipedia先生に載っていますので、よろしければ見てみてください。
ざっくり言うと、
劇中に登場する 「四方の巫女」という島の封印を守護するヒロインたちがいます。
悪い秘密結社みたいなのが、島の封印を解いて 秘められた力を解き放つことを企み、主人公たちは その秘密結社とドンパチやる という話です。
その封印を解くための儀式(アプリボワゼ)のシーンで、巫女がそれぞれ歌を歌うのですが
1話で流れる『モノクローム』(戸松 遥さんのヴォーカル)という曲がありまして、
僕の好みドストライクの曲で、何回も聴いて耳コピしました。
↓動画
https://www.youtube.com/watch?v=ogiTKKHtBOs
↓CD
E minorのドリア旋法はかっこいい!中二心をくすぐられます。
( ↑次回への伏線ですので覚えておいてください。)
とてもシンプルな旋律、また 弾きやすい調です。
そのため、覚えやすく、アレンジがしやすいと思ったのです。
とはいえ、まだこの時点ではコードを覚えていませんでした。冒頭の部分をこうアレンジしたのを覚えています。
なぜ4声かというと、中高はキリスト教の学校で、毎朝礼拝がありました。
そこで必ず讃美歌を歌わされます。讃美歌は1955年版の「讃美歌1篇」で、ほとんどの曲が4声で書かれています。
4声でアレンジできたら、なんかかっこいいな!
と思って、書いたのはいいのですが、
この楽譜を音大に出したら評価になるでしょう笑
平行5度と8度が連発です。(和声法のルール違反)
でも、弾いてみると、新しい曲ということもあり、たいして気になりません。
ルール違反していようが、弾ければよかったのです。これを機にピアノを弾くということの感触をつかみ始めました。
簡単な曲を何度も弾きまくったのです。
こうしているうちに、また更によい演奏ができないかと思い、
「けいおん!」の曲から、「コードネーム」習得へと導かれました。
【Ⅲ、アニソンが弾きたい!~コードで弾いてみた~】
モノクロームから時は1年ほど流れ、次に友達に勧められてみたのは「けいおん!」でした。2009年にTVアニメ第一期放送、社会現象になったことが よく記憶に残っていますが、僕はその3年後2012年に はじめて見ました。(むぎちゃん推しでした。同じ鍵盤弾きとして。)
実際とてもはまって、トランペットのケースにグッツのキーホルダーを付けてたりしました笑
僕が「けいおん!」にはまった2012年は、劇場版の円盤が発売された年で、
僕は初回盤のBDを入手しました。
その特典で、「天使にふれたよ!」のメロディー譜が封入されていました。
この楽譜で、僕はコードの弾き方を覚えることになりました。
さて、
部活での話になります。
練習中 先輩たちが「ここは ベードゥアだ。」「こっちはゲーモルだ」などと、呪文のようなものをよく唱えていました。
はじめは何のことやら、さっぱりでした。
僕の出身校の吹奏楽部では終止、ドミナントの和音は必ず純正で合わせる風習があって、
終止音のところに「Oドゥア」「Oモル」と書かされたものです。
それで、呪文の正体は和音の名前だったと気づきました。
合奏の練習曲にも度々出てきた表記でしたので
まずはドイツ語で和音の名前を覚えました。
B♭Dur、g moll、ドイツ語表記。
B♭ Gm コードだとこうです。
それで、家に帰ってアニソンの楽譜を見たときに
音名だけだとDur
音名の隣にmが書いてあればmollだ!mollのm、
数字はセブンスなのか?
こんなノリで、次はコードでアニソンを弾きまくりました。
「天使にふれたよ!」はバラードなので、派手なことをせずに済みます。
リアライズは即興で、原曲っぽくテキトーに作りました。
この方法を発見してから
即興演奏はルールをおさえれば誰でもできる!と思ったのです!
簡単なアニソンをひたすらこれで弾きまくっていたら、
自分の方法で自由にピアノを弾くことができたので、楽しくなってどんどんうまくなりました。
高校生になってから通奏低音を習得するときも コードの経験が大いに役に立ちました。
【Ⅴ、リアライズについて】
自分のリアライズ方法なのですが、普段聴いている音楽に左右されます。
この頃よく聴いていたのは
あちは マンロウから始まって、ルネサンスの音楽が好きになり、J. ダウランドのリュート曲集、あとはG. グールドのバッハをやたら聞いていました。
(あとアニソンな)
ロマン派の音楽はというと、この頃はあまり興味がなく、ほとんど聴きませんでした。
なので、コンサートホールで大衆を圧倒する演奏②ではなく、
音楽の構造を浮かび上がらせるような、または原曲の記憶がよみがえるようなリアライズ
これをしていたわけです。①
ロマン派の奏法からすると地味です。
それぞれの奏法に、仮にこのような名前を付けました。
古い音楽にインスパイアされた奏法…地味奏法①(Gateside弾き)
②ロマン派以降の音楽にインスパイアされた奏法…派手奏法②(リスト弾き)
(勝手に名前つけてすみません)
①地味奏法
手を移動させずに和音を連結、メロディーは基本単音、必要なところには和音を付ける。
②派手奏法
手を移動しながらたくさんの音を押さえる。(まらしぃさんの得意な奏法です。)
(難しくて僕はまねできません)
正直言って、②の派手奏法は難しくて大変です!練習がしんどいです。
激しい跳躍で和音を連結させるため、音を当てるのが難しい。
あとは 鍵盤をたたくためのパワーがいります。
それに対して①の地味奏法は練習がほとんどいりません。
近いところで和音を連結させるためです。
少ない練習で弾けるって最高じゃないですか!
極めていくと、音楽を自分でコントロールできてる!という感覚が育ってきます。
そのうち、地味奏法のYoutubeの演奏例を載せますので 気長にお待ちくださいませ。
【まとめ】
コードで弾く方法を発見して、僕は「音楽で遊ぶ」ということ覚えました。
遊ぶために練習って、あまりしないじゃないですか。
1曲1曲を練習するのは、かなり労力がかかります。
1曲1曲の根底にある基礎構造を覚えることで、様々な曲に柔軟に対応できるようになります。
まじめなことを書いてしまいましたが、「遊びながら覚えた」ということです。
次回は「古楽ってオシャンだよね」で書いていきます!それでは!