アニメオタクと古楽

Gatesideのはてなブログ「Gatesideの脳内」をご覧の皆様、こんにちは。

 

前回は「へたくそ吹奏楽部員と古楽の出会い」で、実技が得意ではなかった自分に

音楽を「聴く」「語る」の視点を 古楽が与えてくれたという内容でした。

 

今回は2件目の記事で古楽に出会ったあとの自分の話です!

 

【Ⅰ、アニソンを弾きたい!~難しくても むりやり弾いてみた~】

実は僕、アニメが結構好きです。

小学生まではガンダムシリーズと「クレヨンしんちゃん」くらいしか見ていなかったのですが、

中学生からできた友達に詳しいのが多くて、2012年の冬あたりから、友達の紹介で当時のベタな作品「ハルヒ」「けいおん!」「とあるシリーズ」を見て、それ以来僕はアニメオタクです。

 

さて、音楽の話に戻りますが、

やはり 楽器をやっている身としてはアニソンをぜひとも「自分で演奏したい!」と思うものでありますです。

 

それで、最初に買ったアニソンの楽譜がこちらです。

『ワンランク上のピアノソロ 神曲 アニソン・スペシャル』 デプロMP (2012年)

 

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E4%B8%8A%E3%81%AE%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%AD-%E7%A5%9E%E6%9B%B2%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB-%E3%83%87%E3%83%97%E3%83%ADMP/dp/4864143870/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=3FWZ2W2RCSF8P&keywords=%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E4%B8%8A%E3%81%AE%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%AD+%E7%A5%9E%E6%9B%B2+%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB&qid=1653306116&sprefix=%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E4%B8%8A%E3%81%AE%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%AD+%E7%A5%9E%E6%9B%B2+%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%BD%E3%83%B3+%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%2Caps%2C263&sr=8-1

 

この当時はfripsideさんの「only my railgun」、「LEVEL5 -judgelight-」

この2曲にすこぶるはまっていて、とにかく弾きたかった。

 

しかし、耳コピがあまり得意ではなかったので、楽譜を買って弾いていました。

 

が、

今までピアノをまじめに弾いていなかったため、難しくて楽譜通りに演奏ができない!

 

という。

「なんで楽譜かったの?w」と言われてしまいそう。

 

それでも弾きたかったので、

「今ある技術で なにがなんでも曲を再現しよう」と思って自分で簡単バージョンを作って演奏していました。

難しいと思った点を挙げます。

 

  • 調号が難しい

only my railgun」(G# minor) (#が5つ)は、トランスポース-1 (バロックピッチ)で対          応。 A minor (調号なし)として弾けば実音で楽ちんに演奏できます。

最後の半音上がる転調は、なかったことに。

 (転調せずとも 元々とてもかっこいい曲なので、それでよかったのです)

 

  • 和音の記譜が難しい(音が多い)

現代の 速い曲のピアノアレンジにも言えることですが、楽譜をそのまま弾こうと  すると

大きく手を広げて、ジャジャジャジャ!!、ジャアーーン! ジャアーーン!    て感じで

僕からすると 音が多いな、手が痛くなりそう と感じます。

これは、単旋律にして対応。

 

  • 左手はパーカッション

これも現代の 速い曲ピアノアレンジに当てはまりますが、左手をパーカッションとして使うアレンジがなされます。(ジャズピアノの影響だろうか?)(もっと勉強します)

これも苦手でした。

これは オクターブを8分音符でタカタカ刻む方法でとりあえず弾いていました。

 

これををしばらく続けたのですが、かっこ悪いと自分でも思っていたので、

もっとかっこよく弾けないかと 別の曲で楽譜を書いてみることにしました。

 

【Ⅱ、もっとかっこよく、むりやり編曲してみた】

 

スタードライバー 輝きのタクト』というアニメをご存じでしょうか?2010年の秋アニメです。

これも友達の紹介で見た作品でした。

概要が詳しくWikipedia先生に載っていますので、よろしければ見てみてください。

 

ざっくり言うと、

劇中に登場する 「四方の巫女」という島の封印を守護するヒロインたちがいます。

悪い秘密結社みたいなのが、島の封印を解いて 秘められた力を解き放つことを企み、主人公たちは その秘密結社とドンパチやる という話です。

 

その封印を解くための儀式(アプリボワゼ)のシーンで、巫女がそれぞれ歌を歌うのですが

1話で流れる『モノクローム』(戸松 遥さんのヴォーカル)という曲がありまして、

僕の好みドストライクの曲で、何回も聴いて耳コピしました。

 

↓動画

https://www.youtube.com/watch?v=ogiTKKHtBOs

 

↓CD

https://www.amazon.co.jp/STAR-DRIVER-%E8%BC%9D%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%88-Songs-Soundtracks/dp/B0098DJW9K/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=1FDY7O6A22BSO&keywords=%E6%88%B8%E6%9D%BE%E9%81%A5+%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A0&qid=1653310729&sprefix=%E6%88%B8%E6%9D%BE%E9%81%A5%2Caps%2C4678&sr=8-1

 

E minorのドリア旋法はかっこいい!中二心をくすぐられます。

( ↑次回への伏線ですので覚えておいてください。)

 

とてもシンプルな旋律、また 弾きやすい調です。

そのため、覚えやすく、アレンジがしやすいと思ったのです。

とはいえ、まだこの時点ではコードを覚えていませんでした。冒頭の部分をこうアレンジしたのを覚えています。

 

譜例

 

なぜ4声かというと、中高はキリスト教の学校で、毎朝礼拝がありました。

そこで必ず讃美歌を歌わされます。讃美歌は1955年版の「讃美歌1篇」で、ほとんどの曲が4声で書かれています。

 

4声でアレンジできたら、なんかかっこいいな!

 

と思って、書いたのはいいのですが、

この楽譜を音大に出したら評価になるでしょう笑

平行5度と8度が連発です。(和声法のルール違反)

でも、弾いてみると、新しい曲ということもあり、たいして気になりません。

 

ルール違反していようが、弾ければよかったのです。これを機にピアノを弾くということの感触をつかみ始めました。

簡単な曲を何度も弾きまくったのです。

 

こうしているうちに、また更によい演奏ができないかと思い、

けいおん!」の曲から、「コードネーム」習得へと導かれました。

 

【Ⅲ、アニソンが弾きたい!~コードで弾いてみた~】

モノクロームから時は1年ほど流れ、次に友達に勧められてみたのは「けいおん!」でした。2009年にTVアニメ第一期放送、社会現象になったことが よく記憶に残っていますが、僕はその3年後2012年に はじめて見ました。(むぎちゃん推しでした。同じ鍵盤弾きとして。)

実際とてもはまって、トランペットのケースにグッツのキーホルダーを付けてたりしました笑

 

僕が「けいおん!」にはまった2012年は、劇場版の円盤が発売された年で、

僕は初回盤のBDを入手しました。

その特典で、「天使にふれたよ!」のメロディー譜が封入されていました。

この楽譜で、僕はコードの弾き方を覚えることになりました。

 

さて、

部活での話になります。

練習中 先輩たちが「ここは ベードゥアだ。」「こっちはゲーモルだ」などと、呪文のようなものをよく唱えていました。

はじめは何のことやら、さっぱりでした。

 

僕の出身校の吹奏楽部では終止、ドミナントの和音は必ず純正で合わせる風習があって、

終止音のところに「Oドゥア」「Oモル」と書かされたものです。

それで、呪文の正体は和音の名前だったと気づきました。

 

合奏の練習曲にも度々出てきた表記でしたので

まずはドイツ語で和音の名前を覚えました。

 

B♭Dur、g moll、ドイツ語表記。

B♭   Gm    コードだとこうです。

 

それで、家に帰ってアニソンの楽譜を見たときに

音名だけだとDur

音名の隣にmが書いてあればmollだ!mollのm

数字はセブンスなのか?

 

こんなノリで、次はコードでアニソンを弾きまくりました。

「天使にふれたよ!」はバラードなので、派手なことをせずに済みます。

 

リアライズは即興で、原曲っぽくテキトーに作りました。

 

この方法を発見してから

即興演奏はルールをおさえれば誰でもできる!と思ったのです!

 

簡単なアニソンをひたすらこれで弾きまくっていたら、

自分の方法で自由にピアノを弾くことができたので、楽しくなってどんどんうまくなりました。

高校生になってから通奏低音を習得するときも コードの経験が大いに役に立ちました。

 

【Ⅴ、リアライズについて】

自分のリアライズ方法なのですが、普段聴いている音楽に左右されます。

 

この頃よく聴いていたのは

M. アンドレがトランペットで吹いているバロック音楽

あちは マンロウから始まって、ルネサンスの音楽が好きになり、J. ダウランドリュート曲集、あとはG. グールドのバッハをやたら聞いていました。

(あとアニソンな)

ロマン派の音楽はというと、この頃はあまり興味がなく、ほとんど聴きませんでした。

 

なので、コンサートホールで大衆を圧倒する演奏②ではなく、

音楽の構造を浮かび上がらせるような、または原曲の記憶がよみがえるようなリアライズ

これをしていたわけです。①

ロマン派の奏法からすると地味です。

 

それぞれの奏法に、仮にこのような名前を付けました。

 

古い音楽にインスパイアされた奏法…地味奏法①(Gateside弾き)

②ロマン派以降の音楽にインスパイアされた奏法…派手奏法②(リスト弾き)

(勝手に名前つけてすみません)

 

①地味奏法

手を移動させずに和音を連結、メロディーは基本単音、必要なところには和音を付ける。

 

②派手奏法

手を移動しながらたくさんの音を押さえる。(まらしぃさんの得意な奏法です。)

(難しくて僕はまねできません)

 

正直言って、②の派手奏法は難しくて大変です!練習がしんどいです。

激しい跳躍で和音を連結させるため、音を当てるのが難しい。

あとは 鍵盤をたたくためのパワーがいります。

 

それに対して①の地味奏法は練習がほとんどいりません。

近いところで和音を連結させるためです。

少ない練習で弾けるって最高じゃないですか!

 

極めていくと、音楽を自分でコントロールできてる!という感覚が育ってきます。

 

そのうち、地味奏法のYoutubeの演奏例を載せますので 気長にお待ちくださいませ。

 

【まとめ】

コードで弾く方法を発見して、僕は「音楽で遊ぶ」ということ覚えました。

遊ぶために練習って、あまりしないじゃないですか。

1曲1曲を練習するのは、かなり労力がかかります。

1曲1曲の根底にある基礎構造を覚えることで、様々な曲に柔軟に対応できるようになります。

まじめなことを書いてしまいましたが、「遊びながら覚えた」ということです。

 

次回は「古楽ってオシャンだよね」で書いていきます!それでは!