古楽ってオシャンだよね
【近況報告】
はてなブログをご覧の皆様、こんにちは。Gatesideです!
仕事関係で忙しくしていたため、前回からかなり間が空いてしまいました。
先月、母校(東北学院大学)で毎月催している「web公開礼拝」の収録をしてまいりました。
学科の後輩がリコーダーを吹き、僕がオルガンで通奏低音とソロをしました。
東北学院大学のチャペルは、J・H・モーガン(1873~1937)設計で、ネオゴシック様式です。鉄筋コンクリート+石 でできていて、とても重厚な印象を持ちます。
20世紀前半イギリスの代表的なステンドグラス工房「ヒートン、バトラー&バイン」のステンドグラスがあります。
これらが大変貴重ということで、2014年に 国の登録有形文化財になっています。
そんなありがたーーい空間で何を演奏しようかと思って、
ステンドグラスに合わせてオールイギリスものでプログラムを組んでみました。
曲とステンドグラスで時代は異なりますが、僕らの身にはありがたすぎる経験をさせていただきました。
YouTubeに動画がアップされていますので、よろしければ見てみてください!
(もうひと手間よろしければ高評価とチャンネル登録を よろしくおねがいします!)
↓ YouTube: 東北学院大学 水曜公開礼拝2022年5月
忘れたころに、ここで演奏した曲の解説をアップいたします。
では、「古楽ってオシャンだよね」いってみます!
【はじめに】
前回の「アニメオタクと古楽」の続きです。
前回は、楽譜通りに弾くのをやめて、アニソンをコードで弾きまり、
その中で「地味奏法」「派手奏法」の大きく2パターンのリアライズ方法があることを説明してから
そのうちの「地味奏法」は古い音楽からインスパイアされたものだ!
というものでした。
これが中学生までの話です。
さて今回は高校生になってからの話です。
【変わり者だけど、もてたい!】
高校に上がって、まず思ったことが
高校デビューしたいな! です!
僕が高校生をしていた頃は2013~2016年で、学園カーストの高い所謂「ウェイ系」の人たちの間でEDMが流行り始めた頃です。
EDMの特徴といえば、なんといってもバスドラムの
「ドゥン!、ドゥン!、ドゥン!、ドゥン!」
四分音符の刻みですね。
EDMは、曲の構造がとてもシンプル、同じコード進行を繰り返して展開させる方式をよくとります。
古楽っぽく言えば バッソオスティナートのダンスミュージック といった感じになります。
前回紹介したアニソンで、fripsideさんの「LEVEL5~judgelight~」や「only my railgun」もよく似ていますが、EDMよりも曲の構造とリズムが複雑です。
バスドラムは基本8分で刻みますが、たまに付点のリズムが現れたりします。
コード進行も一定ではありません。
高校性になって、何が起きたかというと
シンプルなものはオシャレなんだ
という気が付いたのです。
しかし、自分はド陰キャだったので、EDMは隠れて聴いていた。
実際ウェイ系の人たちと ノリが全く合わないので、結局高校デビューはならず!w
でもあきらめきれずに、自分の持っているもので 自分なりのオシャン高校生になってやろうと思いました。
そこで、古楽に注目しました。
それまでは1950~1980年代くらいの 王道クラシックの中の バロック音楽を聴いており、
たまに聴いていたマンロウやコープマン、BCJの演奏は
面白いけど、いまいちピンと来ていなかった。
高校に入って EDMのようなシンプルがかっこいいの考えが芽生えると
コープマン、BCJの演奏は おしゃれだな! と感じるようになったのです。
【50~80年代の王道クラシックと、古楽がいかに違うか】
・ヴィブラート控えめ
・長い音はメッサ・ディ・ヴォーチェ
・付点の後は間をあける(音形によっては空けない)
・キレがある演奏
ざっとこの4点です。
まずはトランペットでこの奏法を取り入れました。
いままでは一生懸命すべての音にヴィブラートを付けて、大きな音で、ハイトーンを!
こんな感じでやって苦労していたのですが、
古楽奏法はというと、
自分の体にしっくりくる感触でした。
やってみると とても楽なのです。
音楽をイキイキとよみがえらせることのできる一つの方法だと思います。
ノリのいいものは、シンプルで、切れがあります。
EDMと古楽、奏法に似たようなにおいがします。
鍵盤に歴史的奏法が加わるのは大学になってからなので、こんかいはここまで。
【まとめ】
古楽に出会った時のことを長々と書いてしまいました。
まじめに音楽始めた理由は「もてたいから」で、実際どうだったかというと、
全然ダメでしたね(笑)
それはそう、ノリがいいと感じたのは僕の思い込みの可能性が大きいからです(笑)
実際今は、上で書いたような奏法は使わずに、笛を吹くときはフラットマン(フィンガーヴィブラート)をかなり使いますし、
「ノリ」の方向性が、オシャンというよりは、人間の体の中にある自然なノリ(民族音楽的?そのうちちゃんと考えます。)
を追及しています。
次回は現在につながる話で、使用楽器(鍵盤)について だらだら書いてみます。
それでは!
アニメオタクと古楽
Gatesideのはてなブログ「Gatesideの脳内」をご覧の皆様、こんにちは。
前回は「へたくそ吹奏楽部員と古楽の出会い」で、実技が得意ではなかった自分に
音楽を「聴く」「語る」の視点を 古楽が与えてくれたという内容でした。
今回は2件目の記事で古楽に出会ったあとの自分の話です!
【Ⅰ、アニソンを弾きたい!~難しくても むりやり弾いてみた~】
実は僕、アニメが結構好きです。
小学生まではガンダムシリーズと「クレヨンしんちゃん」くらいしか見ていなかったのですが、
中学生からできた友達に詳しいのが多くて、2012年の冬あたりから、友達の紹介で当時のベタな作品「ハルヒ」「けいおん!」「とあるシリーズ」を見て、それ以来僕はアニメオタクです。
さて、音楽の話に戻りますが、
やはり 楽器をやっている身としてはアニソンをぜひとも「自分で演奏したい!」と思うものでありますです。
それで、最初に買ったアニソンの楽譜がこちらです。
『ワンランク上のピアノソロ 神曲 アニソン・スペシャル』 デプロMP (2012年)
この当時はfripsideさんの「only my railgun」、「LEVEL5 -judgelight-」
この2曲にすこぶるはまっていて、とにかく弾きたかった。
しかし、耳コピがあまり得意ではなかったので、楽譜を買って弾いていました。
が、
今までピアノをまじめに弾いていなかったため、難しくて楽譜通りに演奏ができない!
という。
「なんで楽譜かったの?w」と言われてしまいそう。
それでも弾きたかったので、
「今ある技術で なにがなんでも曲を再現しよう」と思って自分で簡単バージョンを作って演奏していました。
難しいと思った点を挙げます。
- 調号が難しい
「only my railgun」(G# minor) (#が5つ)は、トランスポース-1 (バロックピッチ)で対 応。 A minor (調号なし)として弾けば実音で楽ちんに演奏できます。
最後の半音上がる転調は、なかったことに。
(転調せずとも 元々とてもかっこいい曲なので、それでよかったのです)
- 和音の記譜が難しい(音が多い)
現代の 速い曲のピアノアレンジにも言えることですが、楽譜をそのまま弾こうと すると
大きく手を広げて、ジャジャジャジャ!!、ジャアーーン! ジャアーーン! て感じで
僕からすると 音が多いな、手が痛くなりそう と感じます。
これは、単旋律にして対応。
- 左手はパーカッション
これも現代の 速い曲ピアノアレンジに当てはまりますが、左手をパーカッションとして使うアレンジがなされます。(ジャズピアノの影響だろうか?)(もっと勉強します)
これも苦手でした。
これは オクターブを8分音符でタカタカ刻む方法でとりあえず弾いていました。
これををしばらく続けたのですが、かっこ悪いと自分でも思っていたので、
もっとかっこよく弾けないかと 別の曲で楽譜を書いてみることにしました。
【Ⅱ、もっとかっこよく、むりやり編曲してみた】
『スタードライバー 輝きのタクト』というアニメをご存じでしょうか?2010年の秋アニメです。
これも友達の紹介で見た作品でした。
概要が詳しくWikipedia先生に載っていますので、よろしければ見てみてください。
ざっくり言うと、
劇中に登場する 「四方の巫女」という島の封印を守護するヒロインたちがいます。
悪い秘密結社みたいなのが、島の封印を解いて 秘められた力を解き放つことを企み、主人公たちは その秘密結社とドンパチやる という話です。
その封印を解くための儀式(アプリボワゼ)のシーンで、巫女がそれぞれ歌を歌うのですが
1話で流れる『モノクローム』(戸松 遥さんのヴォーカル)という曲がありまして、
僕の好みドストライクの曲で、何回も聴いて耳コピしました。
↓動画
https://www.youtube.com/watch?v=ogiTKKHtBOs
↓CD
E minorのドリア旋法はかっこいい!中二心をくすぐられます。
( ↑次回への伏線ですので覚えておいてください。)
とてもシンプルな旋律、また 弾きやすい調です。
そのため、覚えやすく、アレンジがしやすいと思ったのです。
とはいえ、まだこの時点ではコードを覚えていませんでした。冒頭の部分をこうアレンジしたのを覚えています。
なぜ4声かというと、中高はキリスト教の学校で、毎朝礼拝がありました。
そこで必ず讃美歌を歌わされます。讃美歌は1955年版の「讃美歌1篇」で、ほとんどの曲が4声で書かれています。
4声でアレンジできたら、なんかかっこいいな!
と思って、書いたのはいいのですが、
この楽譜を音大に出したら評価になるでしょう笑
平行5度と8度が連発です。(和声法のルール違反)
でも、弾いてみると、新しい曲ということもあり、たいして気になりません。
ルール違反していようが、弾ければよかったのです。これを機にピアノを弾くということの感触をつかみ始めました。
簡単な曲を何度も弾きまくったのです。
こうしているうちに、また更によい演奏ができないかと思い、
「けいおん!」の曲から、「コードネーム」習得へと導かれました。
【Ⅲ、アニソンが弾きたい!~コードで弾いてみた~】
モノクロームから時は1年ほど流れ、次に友達に勧められてみたのは「けいおん!」でした。2009年にTVアニメ第一期放送、社会現象になったことが よく記憶に残っていますが、僕はその3年後2012年に はじめて見ました。(むぎちゃん推しでした。同じ鍵盤弾きとして。)
実際とてもはまって、トランペットのケースにグッツのキーホルダーを付けてたりしました笑
僕が「けいおん!」にはまった2012年は、劇場版の円盤が発売された年で、
僕は初回盤のBDを入手しました。
その特典で、「天使にふれたよ!」のメロディー譜が封入されていました。
この楽譜で、僕はコードの弾き方を覚えることになりました。
さて、
部活での話になります。
練習中 先輩たちが「ここは ベードゥアだ。」「こっちはゲーモルだ」などと、呪文のようなものをよく唱えていました。
はじめは何のことやら、さっぱりでした。
僕の出身校の吹奏楽部では終止、ドミナントの和音は必ず純正で合わせる風習があって、
終止音のところに「Oドゥア」「Oモル」と書かされたものです。
それで、呪文の正体は和音の名前だったと気づきました。
合奏の練習曲にも度々出てきた表記でしたので
まずはドイツ語で和音の名前を覚えました。
B♭Dur、g moll、ドイツ語表記。
B♭ Gm コードだとこうです。
それで、家に帰ってアニソンの楽譜を見たときに
音名だけだとDur
音名の隣にmが書いてあればmollだ!mollのm、
数字はセブンスなのか?
こんなノリで、次はコードでアニソンを弾きまくりました。
「天使にふれたよ!」はバラードなので、派手なことをせずに済みます。
リアライズは即興で、原曲っぽくテキトーに作りました。
この方法を発見してから
即興演奏はルールをおさえれば誰でもできる!と思ったのです!
簡単なアニソンをひたすらこれで弾きまくっていたら、
自分の方法で自由にピアノを弾くことができたので、楽しくなってどんどんうまくなりました。
高校生になってから通奏低音を習得するときも コードの経験が大いに役に立ちました。
【Ⅴ、リアライズについて】
自分のリアライズ方法なのですが、普段聴いている音楽に左右されます。
この頃よく聴いていたのは
あちは マンロウから始まって、ルネサンスの音楽が好きになり、J. ダウランドのリュート曲集、あとはG. グールドのバッハをやたら聞いていました。
(あとアニソンな)
ロマン派の音楽はというと、この頃はあまり興味がなく、ほとんど聴きませんでした。
なので、コンサートホールで大衆を圧倒する演奏②ではなく、
音楽の構造を浮かび上がらせるような、または原曲の記憶がよみがえるようなリアライズ
これをしていたわけです。①
ロマン派の奏法からすると地味です。
それぞれの奏法に、仮にこのような名前を付けました。
古い音楽にインスパイアされた奏法…地味奏法①(Gateside弾き)
②ロマン派以降の音楽にインスパイアされた奏法…派手奏法②(リスト弾き)
(勝手に名前つけてすみません)
①地味奏法
手を移動させずに和音を連結、メロディーは基本単音、必要なところには和音を付ける。
②派手奏法
手を移動しながらたくさんの音を押さえる。(まらしぃさんの得意な奏法です。)
(難しくて僕はまねできません)
正直言って、②の派手奏法は難しくて大変です!練習がしんどいです。
激しい跳躍で和音を連結させるため、音を当てるのが難しい。
あとは 鍵盤をたたくためのパワーがいります。
それに対して①の地味奏法は練習がほとんどいりません。
近いところで和音を連結させるためです。
少ない練習で弾けるって最高じゃないですか!
極めていくと、音楽を自分でコントロールできてる!という感覚が育ってきます。
そのうち、地味奏法のYoutubeの演奏例を載せますので 気長にお待ちくださいませ。
【まとめ】
コードで弾く方法を発見して、僕は「音楽で遊ぶ」ということ覚えました。
遊ぶために練習って、あまりしないじゃないですか。
1曲1曲を練習するのは、かなり労力がかかります。
1曲1曲の根底にある基礎構造を覚えることで、様々な曲に柔軟に対応できるようになります。
まじめなことを書いてしまいましたが、「遊びながら覚えた」ということです。
次回は「古楽ってオシャンだよね」で書いていきます!それでは!
へたくそ吹奏楽部員と古楽の出会い
【はじめに】
はてなブログをお読みの皆さん、こんばんは。Gatesideです。
今年度から 転職をしまして、前職の不定休 自動車整備士から平日本社勤務のサラリーマンになりました!
というのは、ワークライフバランスを重視すると、土日休みの方が 僕の場合はるかにプライベートが充実しやすいからです。なので4月から、今まで以上に集中して 音楽や研究に取り組めるようになりました。
さて、本日のテーマは「へたくそ吹奏楽部員と古楽の出会い」です。
「古楽」とは何か。(←このタイトルでN. アーノンクールが分厚い本を出しています(笑))
古楽とは、「昔の音楽を 作曲家が生きていたころの楽器と技術で演奏する」
というものです。(ざっくり)
【出会いの経緯 ~吹奏楽部入部 ~ 古楽?なんじゃこりゃ!クラシックと全然違う!~】
初めて聴いた古楽のCDは、D. マンロウ(1942~76)の『春は来たりぬ(Ecco la Primavera)』(1969年 リリース)でした。
https://www.youtube.com/watch?v=Z6rA2x_lPq0
これについて語る前に、まずは古楽を知らない頃の私の話を書かせてください。
これを見つけたのは中学のころ、吹奏楽部でトランペットを吹いていた頃のことです。
なぜトランペットを選んだかというと、以前から父の影響でよく聴いていたM. アンドレ(1933~2012)(以降アンドレと表記)の演奏が大好きだったからです。アンドレはフランスのトランぺッターで、バロック時代の難関なレパートリーを得意としました。数ある中でも僕の一番好きだったのは A. コレッリ(1653~1713)のソナタ 作品5-8 (1700)の演奏です。
↓CD 「トランペットとオルガン」トランペット: M. アンドレ、オルガン: M.C.アラン
↓楽譜
https://imslp.org/wiki/12_Violin_Sonatas%2C_Op.5_(Corelli%2C_Arcangelo)
バロック時代も現代も、とても人気の曲で、様々なアレンジの楽譜が出ています。
アンドレの、とても美しく荘厳な演奏とオルガンの伴奏がとてもよくあっています。
他にもテレマンのコンチェルトやバッハのブランデンブルク協奏曲なども録音しており、名演ぞろいです。
こうして、トランペットを始めたわけですが、
なんと、難しくて 全くうまくなりませんでした!(笑)
ピアノは小学校から習っていたものの、そちらはやる気がありませんでした。
自分は全く音楽の才能ないんじゃないかと 落ち込んでいました。
しかし、楽器が下手でも 音楽を「聴く」のはとても好きでした。
自分の知らない曲を聴くのがとても好きで、いい曲と出会えた時はとても喜びを感じます!
岡田 暁生 『音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉』中公新書 (2009)
という本があります。その中の 第2章の最後のトピック『音楽を「する」/「聴く」/「語る」の分裂』というのがあって、18世紀後半から 音楽の市場が構築されていく中で「音楽をする」というのは「する」/「聴く」/ 「語る」の3つの立場に分かれるようになったと書いてあります。中学生の僕が好きだったのは「聴く」/「語る」の2つということになります。
吹奏楽部で扱う、所謂「モダン楽器」というのは 習得が大変です。そして僕の所属していた吹奏楽部は当時、コンクールで受賞することに大変力を入れていました。
ですので、部活の方針を岡田さんの区分で表すと、音楽を「する」ことに傾倒してることになります。
その中で僕は劣等生であったので、正直、メンタル的にとてもつらかったです。しかし、今考えると、3つの立場うち「聴く」/「語る」の2つを古楽によって養われたなと思います。
さて、ここでようやく マンロウの話に戻ってきます!
部活に気疲れして、たまたま手にした「Ecco la primavera」。日本語の副題は「中世ルネサンスの音楽」です。
冒頭、のドラムを聴いてびっくり仰天!
それまで ルネサンスといえば絵画しか知りませんでした。
キリスト教の中高一貫校に入っていたので、ミケランジェロ、ラファエロ、レオナルドの絵はよく目にしていました。
中学生の僕にとってルネサンスの印象は「芸術的で優雅な時代」でしたので、音楽も「優美なものであふれていたに違いない」と思い込んでいたのです。
ですが、マンロウの録音を聴いて「あれ、民族音楽か?」
楽器の音だけ聴くとそう聞こえるのも当然です。(後にジョスカン・デ・プレの曲を聴いて、優美で荘厳なものも知りました。)
しかし、当時の人々にとって 楽器の音色そのものはたいして重要ではなかったのです。
中世の音楽は、音楽の構造、現象を楽しむもの でした。
1度(ユニゾン)と、完全5度(CとG、AとE など)を尊び
現在 協和音程の3度は、この時代は不協和音程でした。
というのは、1度、5度は 自然界にありふれており、神が創った音、神の秩序の表れだとして大事にされていたためです。
これを自然倍音といいます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8D%E9%9F%B3 より
Wikioedia先生に、自然倍音列の図がありましたので見てみてください。
3度は5番目。7度は7番目になってやっと出てきます。
遠い倍音なので 聞き逃しても無理はありません。僕も聞こえませんから。笑
(ヨーロッパでルネサンスが起こる前から、中世のイングランドでは3音を使って音楽をしていた。J. ダンスタブルがフランス人音楽家にこの技を伝えやがて大陸でも定着。産業革命もですが新文明は北からやってくるのかも。)
盛期ルネサンス(16世紀)になってポリフォニーの最盛期になっても、この考え方はうっすら残り続けます。
中学生の時にさすがにここまで考えませんでしたが、マンロウの録音の曲を下手くそだったトランペットで吹いてみていました。
部活で要求されるような大きな音量、ハイトーンは必要ない ということに僕はとても感動したのを覚えています。
音楽で人々を魅了するのではなく、音楽という「神に通じる秩序、調和(ハーモニー)」を分かち合うのがこの時代の音楽の目的なわけですから、部活扱っていた音楽とは目的が全く違うのです。
【まとめ】
だらだらと理屈を並べてしまいましたが、コンクールで人々を魅了するだけの部活に疲れていた僕は、古楽に出会って「音楽するってなんだろう?」と疑問を持つようになり、これは今でもよく考えることになっています。
吹奏楽部で扱う音楽も 中世、またはそれ以前の西洋音楽の血を引いているわけですから、このようなことを考え続けるのはとても大事なんじゃないか と思います!
これを読んでいる皆さんと、音楽の古くも新しい楽しみ方を分かち合えたらな!と思います。それではまた次回!次は「アニメオタクと古楽」です。